相続対策 備忘録

「家族や親戚の相続について何とかしたいがどうすればいい?」という人向けに、自分が学んだ経験をもとに、相続対策について備忘録をまとめた。

一応補足しておくと、自分は相続知識ゼロのレベルから、今回家族の相続について準備するために勉強し、それを整理して相続専門税理士に相談したところ、「こんなに勉強しているお客様は初めてです。かなりまとまっていて相談に乗りやすかったです!エキスパートですね!」と褒められたくらいまでのレベルには達したので、相続初心者の方には参考になるはず。


◆前提
今回の記事の対象者
・読解力がある人
・相続で損したくない人
・粘り強く家族のために取り組める人
・家族の相続についてどうにかしたいと思っている人

対象でない人は、こんな記事を読まず、何も準備せず、相続発生時に税理士に丸投げすべし


◆「相続について勉強したいけど、何をすればいい?」
まずは相続の基礎知識について理解すること。YouTubeのわかりやすい動画を見ることで知識ゼロからでも学ぶことができる。

基礎知識とそれを学ぶための動画一覧

・相続税の基礎控除
【相続税の基礎控除】全家庭において相続税が〝0円〟になる基準を解説します!

・法定相続人、財産分与の割合
【基礎知識】相続が発生した際の法定相続人って誰?正確に把握しておかないと『遺産分割協議自体』が無効になります!

・不動産の相続税評価額の計算 ※思ったよりカンタン
【初心者向け】相続の際の不動産評価額を簡単に計算する方法!

・小規模宅地等の特例
【小規模宅地等の特例】自宅の土地を8割引きで相続出来るお得な制度!利用条件と知っておくべき注意点を解説

・配偶者の税額軽減
【配偶者の税額軽減】1億6千万円の非課税制度を最も効果的に利用する方法!

・配偶者居住権
配偶者居住権の基礎知識【2020年4月から始まるよ】

・1次相続、2次相続
【解説ぶっちゃけ相続7】1億6000万の節税ノウハウ活用法

・相続税の取得費加算
取得費加算ってなに?わかりやすく解説!

・居住用財産の3,000万円特別控除
税金が600万変わる!?自宅売却なら使うべき!譲渡所得の3000万特別控除とは?

・空き屋の3,000万円特別控除
【知らなきゃまずい】空き家特例3,000万円控除の落とし穴


◆「動画はわかりやすいけど、時間がかかるのがだるい。本を読む読解力があるからオススメの本はある?」
円満相続税理士法人の橘さんが書いた【ぶっちゃけ相続 日本一の相続専門YouTuber税理士がお金のソン・トクをとことん教えます!】という書籍がわかりやすくてオススメ


◆「相続の基礎知識を理解したあとはどうすればいい?」
・財産の把握
相続が発生しそうな人の財産を確認する。「家族のために、相続について余裕を持って準備したい」という気持ちを伝えることで、確認する場を作るべし。

現金、不動産、株式など何をどれだけ保有しているのかを明確にすること。

登記簿をオンラインで取得できるサイト
登記情報提供サービス


・相続情報を整理する
具体的には「財産」「相続に関係する人」「関係者の考え」「遺産分割の想定」「その他不安なこと」をエクセルもしくはワードで整理してまとめる


・整理した内容を相続関係者に確認する
ほとんどの相続関係者は相続について何も準備してないし、考えてすらないので、まずは整理した内容を関係者に見せて確認するのがオススメ。

ほとんどの相続では、これができていないはず。「残された家族が良好な関係を築くため」「余裕を持って相続の手続きを進めるため」という気持ちを伝えることで、話し合いの場を作るべし。

相続が発生する予定の人がどう考えているのかを聞き、その後に他の人の意見を聞く。誰か1人でも気分を害すると争う方の争族になってしまうので、一人ひとりの気持ちを大切にしながら接すること。

自分は家族との関係が良好だったので、財産を確認したり、相続関係者と話し合うことができたが、もしかしたら険悪な関係になっている人もいるはず。その場合は、すぐにどうにかしようとせず、少しずつ人間関係を取り戻し、時間がかかってでも寄り添うようにしていくしかないかと思う


◆「財産を確認して、相続情報の整理をしたし、相続関係者に確認した後は?」
ここまでできた時点で初めて税理士に相談すべし。
※もちろん税理士に相談後も定期的に家族とはコミュニケーションを取る

相続関係者と話せれば、どんな相続をしたいのかが聞けると思うので、それを踏まえてどんな遺産分割が良いのかをまず自分でまとめる。

税理士に相談する際は、「財産」「相続に関係する人」「関係者の考え」「遺産分割の想定」「その他不安なこと」をエクセルもしくはワードで整理してまとめた内容を見せるようにすること。

ほとんどの人は相続については、相続が発生するまで何も準備することなく、「相続について何もわからないのですが、、」という状態で税理士に相談してしまっているはず。

これだと税理士は相続税の基礎控除についてなど基本的なことを1から説明しなければならず、時間がもったいない。個別具体的な部分を適切に助言してもらうためにも相談内容を整理するのが大切。事前にまとめて相談することで、税理士の方も相談に答えやすいし、適切な回答を得られるし、お互いにメリットが大きい。

また、いざ相談するときになったら、相談日時より前に、自分で整理したデータを送ることで事前に確認してもらうと効率が良い


◆「どんな税理士に相談した方が良い?」
相続を専門にしており、情報発信(ホームページ、Twitter、YouTubeなど)している税理士が良いかと思う。

税理士だけでもいろんな分野がある。ただの確定申告だけを請け負っている税理士では、実際の相続案件には弱い可能性がある。実際の現場でトラブルを経験していたり、多くの相続案件を対応している実績がある人に依頼すべし。

また、今の時代、情報発信していない人のサービスは利用すべきでないと思う。情報発信をすることで、ある程度フォロワーを獲得しているということは、それだけニーズを把握できているということだし、実際に対応するときも気持ちを汲み取ってやり取りしてもらえることが期待できる。

自分が調べた中では、YouTubeでの発信がわかりやすく、相続専門にしているのは、下記の2社。

秋山税理士事務所
https://www.souzoku-akiyama.com/

円満相続税理士法人
https://osd-souzoku.jp/

ちなみに秋山税理士事務所の秋山さんには実際に相談させてもらった。相続の現場を数多く経験している方の意見や考えを聞けて、相続の個別具体的な部分の方向性を定めることができ、非常に有意義な時間になった。

事前に勉強したとはいえ、もし基礎知識に不安がある場合は、

基礎知識の漏れのチェック→無料相談
個別具体的なの相談→相続専門税理士

みたいな感じで、いくつか無料相談してから、相続専門税理士に相談するという作戦はアリかと思う。

自分は秋山さんへの相談で個別具体的なことを確認したかったので、それより前に別の無料相談先で基礎知識について確認したいことを相談した


◆「そもそも無料相談とかどこでできるの?」
意外と無料相談はできるので、存分に活用すべし。

無料相談先の一覧
・各自治体の無料相談
・税理士ドットコム
・国税局電話相談センター
・税務署での面談
・法テラスでの無料相談
・弁護士
・税理士(相続専門)
・司法書士
・行政書士

これらの無料相談先について、秋山さんから神動画が投稿されているので、必ず確認しておくこと。
【おススメ】相続の悩みを無料で相談出来る公的機関・専門家〝9選〟

上記以外に見つけた無料相談先
法務局
・区役所の区民相談 ※市役所も同様
東京税理士会
東京司法書士会 ※東京以外にも都道府県で「〇〇税理士会」で検索すれば見つかる
弁護士ドットコム

相談までの流れとして、下記がオススメ
①基本的な知識を動画などで事前に勉強する
②「財産」「相続に関係する人」「関係者の考え」「遺産分割の想定」「その他不安なこと」を自分で整理する
③相続関係者に整理した内容を相続関係者に確認する
④整理したり関係者に確認した際、一般的な内容でわからないことは無料相談で確認する
⑤個別具体的な節税や相続トラブル回避について、相続専門税理士に相談する

この流れをとることで、相続専門税理士から個別具体的な部分について適切な助言をもらうことができる。相談した後に自分でいけそうなら自分で手続きを進めればいいし、「この問題については、相続専門税理士に依頼しないと厳しそうだな」と感じたら税理士に依頼すればいい。

初めから税理士にすべて丸投げ、という姿勢は良くない。何も勉強せずにいきなり税理士に丸投げしてしまうと、無料相談で済ませられる問題と個別具体的な助言をもらうべき問題の判断ができず、多くの費用を払うことになる


◆気合がある人向け
自分自身まだ具体的に相続が発生しているわけではないので、何とも言えないところだが、相続の専門家に依頼する費用をできる限り抑えるために、気合があれば自分でできるところはけっこうあるはず。

今のところ難所だと思うのが、相続登記の手続き。ただの素人がこれを実行するためのマインドを得るためには、これらを専門家に依頼した時の費用を調べてみるのがオススメ。ちなみにザっと調べてみたら10万円くらいが相場だった。

「こんなかかるなら自分でやって、費用抑えた方が良いじゃん!」と思えれば自分でいけるはず。

相続登記については手続き一覧が書かれているページや、無料相談先があるので、相続が発生した際、まずは調べながら地道に進めて、どうしてもわからないところは相談し、それでも厳しそうなら税理士に依頼する流れにしようと思っている。

相続登記は初見殺しのような感じで一瞬絶望した気分になるが、やることをきちんと明確にすると、遺産分割協議書と登記申請書の作成以外は、淡々と必要書類を集めるという作業なので、落ち着いて冷静に取り組めばできるはず。
※遺言書があれば、遺産分割協議書は不要

参考動画
【保存版】遺産分割協議書を自分で作成する方法!作成時の注意点も解説

参考ページ
相続登記を自分でやる方法【不動産の名義変更手続きを解説しました】

書面作成の無料相談先
法務局 ※コロナの関係で直接の書類チェックはできず、提出後に不備があれば連絡するとのこと。
東京司法書士会 ※書類作成のチェックはできないとのこと
弁護士ドットコム ※弁護士に無料相談が可能
ココナラ法律相談 ※弁護士に無料相談が可能
・区役所(市役所)の区民相談 ※一般的な質問は可能

参考ページ
登記手続き 備忘録


◆さらに気合がある人向け
相続した不動産を売却して遺産分割をする場合、少しでも高値で売却できれば相続人は喜ぶので、事前に不動産売却については勉強すべし。

ここまでくると相続というイベントを(死別の悲しみとは別に)一種のゲームだと捉えるのがオススメ。どれだけ不動産を高く売れるかを楽しむマインドを持てると良し。

ちなみに自分の例では、まだ相続が発生していないが、自分自身が過去に住んでいた家が今後売却予定なので、「今まで住んでいた家を不動産業者にボッタくられて安売りしたくない。事前に余裕を持って準備することで相続人に多くの財産を残したい」という思いがマインドの強さの根源にある気がする。

わかりやすかった本
・初めてでも損をしない不動産売却のヒケツ
・不動産屋が嫌がることをすれば不動産売買はすべてうまくいく!

まだ、具体的な作業には進めていないが、相続発生前に不動産会社で査定価格を確認したり、担当者を選定しておくことで、余裕を持って売却に臨むことができ、高値売却につながるはず。

ちょっと本を読んで勉強して、余裕を持って準備するだけで、売却価格が数百万円でも高くなるならやっておいて損はないかと思う。

不動産売却について、また何か動きがあり、学びを得たらブログで発信するかと思う。

参考ページ
不動産売却 備忘録


以上。