自分自身が利用している証券会社であるSBI証券で、全自動AI投資である「SBIラップ」という商品が出ていたので考えをまとめた
◆結論
市場平均以上のリターンを目指すようなアクティブファンドには手を出さない。個人投資家はオルカンに投資すべし
◆「そもそもSBIラップはどんな投資商品なの?」
特徴
・AIを搭載し40種以上のマーケットデータを分析
・グローバルインデックス(市場平均)を上回るパフォーマンスを目指す
・全自動の資産運用サービス
・先端AI技術 × 伝統的金融工学でリターンの最大化を追求
・毎月、ダイナミックに投資配分を変更
AIで市場を分析し、下記8種類の資産へグローバル分散投資をしていく投資商品である
・米国株式
・先進国株式
・新興国株式
・米国債券
・米国ハイイールド債券
・新興国債券
・米国不動産
・金
参考ページ
SBIラップの魅力
◆「なんかすごそうな投資商品な気がするけど?」
そんなことはない。
まず、資産運用で非常に重要な要素であるコストが高すぎる。
上記を合計すると年率で0.955%もかかる。
全世界株式インデックスファンドのeMAXIS Slim 全世界株式オール・カントリーの実質手数料は年間0.2%なので、約5倍のコストがかかってしまう。
しかも、手数料のページの下の方に小さな文字でその他費用について書かれていたので、0.955%以上の手数料が乗っかってくる。
その他の費用として、信託財産にかかる監査報酬、信託事務の処理に要する諸費用、法定書類(目論見書、運用報告書等)の作成等にかかる費用、組入有価証券の売買の際に発生する売買委託手数料、外貨建資産の保管に要する費用等の費用 は、原則としてお客さまの負担とし、信託財産の中から支払われます。なお、これらの費用は、運用状況等によって変動するため、事前に具体的な金額や上限額等を示すことはできません。
引用:手数料・ポイントプログラム
そして、市場平均以上のリターンを目指している時点でアクティブファンドの一種にすぎない。アクティブファンドの70~80%は、インデックスファンドに勝てないという事実があるので、個人投資家はインデックスファンドに投資するべし。
また、仮にAIのアルゴリズムで市場平均以上の成績を出せたとしても、そのアルゴリズムが多くの投資家に広まったら、結局市場平均に近づいていき、インデックス投資とのコスト差で勝てなくなってしまう。
個人投資家は「インデックスファンド以上のリターンを目指します!」というアクティブファンドには手を出さないこと。
◆アクティブ投資家に対する本音
SBIラップのような手数料の高いアクティブファンドに投資してくれる投資家がいてくれるおかげで、SBI証券は儲かることができる。
もしSBI証券の利用者全員が低コストのインデックスファンドに投資してしまったら証券会社が儲からずに存続しづらくなってしまうし、大量のアクティブ投資家が市場を効率的にしてくれるおかげでインデックスファンドは勝つことができるので、インデックス投資家はアクティブ投資家に感謝する必要がある。
「インデックスファンドにほとんど勝てないのに、アクティブファンドに投資することで市場を効率的にし、高い手数料を払っていただきありがとうございます。」
以上。